オフグリッド住宅のコンセプト
私は17歳でヨットと出会い、ヨットライフを通じ、風で居住空間が移動し、ほとんどの機器が12Vの蓄電池で作動し、快適に暮らせることを体得しました。
風という自然エネルギーだけで、世界中の海の上を自由に往来できるのです。小型ディーゼルエンジンとプロパンガスという最低限の設備を搭載すれば、大自然の中にあっても、温かい食事や熱いシャワーという贅沢さえ享受することができるのです。
しかし陸上と違い多くの不便もあります。
例えば、海上には道路がないので渋滞はしませんが、ディーラーや修理工場がないため、トラブルが発生した場合、全て自分たちで解決する必要があります。スーパーもないので、工程に合わせてあらかじめ必要なものを調達、保管しておく必要があります。
そう。自然の中に不自由を楽しみに行くのです。
いつしかこれを「12V生活」と名付け、将来、陸(おか)でも実施したいと考え始めたことが、オフグリッド事業を考える原点となりました。
最近は、発電・蓄電技術が進歩し、ディーゼルエンジンの代わりをしてくれます。家電機器は省電力化が進み、多少の不自由や快適性を捨て去れば、都市を離れた大自然の中でもヨットのように電線や上下水道をつながず、生活ができるのではないか。
コンセプトは「ヨットを陸(おか)にあげた生活」。
自然と同調し、その恩恵を受けながら多少の不便や不自由をも楽しむ。
そんなオフグリッド住宅を目指すことにしました。