【驚愕】砂浜での螺杭の性能評価

On 19. 12. 2017 by sai1525

かねてより実施したかった砂浜での螺杭の性能を試験する機会を得ました。
saiブランドは、海辺の構造物を最も得意とするメーカーであるため、この試験で良い結果が得られれば、砂浜や河川域でのサイン(看板)や防風フェンス、防砂柵など、これまでコンクリート基礎を使用していた計画を「概念」から覆すことができるのです。


まずは相手(地質)を知るべく、スウェーデン式サウンディング試験を行いました。
杭長が1.6mある螺杭は、摩擦杭であるため、表層より2mまでの地質が耐力の重要なファクターとなります。
ここで驚いたのが、砂浜の換算N値です。この層の平均N値が何と20.8という驚きの結果を得ました。
「砂浜は柔らかく、施工はしやすいが、砂が崩れ、あまり良い数字が期待できないのではないか」という大方の予想を大きく崩す結果が続々と得られました。

特に地表より1.25m付近では、N値が31.2とこの層の締め固まった砂が機械のトルクを奪っていきました。
写真はφ76のDタイプですが、この前にφ48.6のTタイプを専用工具で施工したのですが、機械がオーバーロードとなり停止してしまうほどのキツさでした。
写真のDタイプは、ハンディ工具といってもこれだけ大きなものなので、もちろん施工性は抜群で、締め固まった砂にしっかりとグリップしながら貫入して行きました。


そして、いざ引抜試験の実施です。
摩擦杭は引き抜きと押し込みを同等の耐力として見なすことができるため、ここでは引抜試験を行いました。


この測定器は油圧で定格50kN(約5t)までの力をかけることができるのですが、荷重をかけてもかけてもほとんど変位せず、定格手前の49.17kNで載荷を中止しました。

螺杭はダイレクトアース工法として技術審査証明を受けていますが、ここで極限引抜き抵抗力を以下の算定式で算出することができます。
地盤の極限引抜き抵抗力算定式 
tRu=0.86・ctRu(kN)
tRu:地盤の極限引抜き抵抗力(kN)
ctRu:小型試験機による地盤の極限引抜き抵抗力(kN)
この算定式による、この砂浜の極限引抜き抵抗力は42.28kNとなります。

ここで長期安全率を3で見た場合、螺杭Dタイプ1本に対し14kN(1.43t)の設計荷重をかけることができるのです。
そうです、冒頭で記したサインや防風フェンス、防砂柵といった用途は序の口で、もっと大きな構造物を支持することができるのです。
砂浜での仮設構造物と言えば海の家ですが、そのような用途にも十分に対応できることが、この試験を通じて証明されました。

螺旋式なので、撤去も杭を逆回しすれば簡単に撤去できるのもこの製品の大きな魅力です。
オリンピック・パラリンピックでは、仮設構造物がたくさん計画されると思いますが、ぜひともこの螺杭をご検討を頂ければと思います。

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