スクリューパイル「螺杭」のご紹介
従来のコンクリート基礎に代わる新たな技術として、摩擦杭を使用した簡易基礎工法が完成しました。
本工法は建設技術審査証明協議会による技術審査証明を取得しており、
外構製品の基礎としてだけでなく、
●四号建築物で居室を有しないもの(※建築基準法第6条1項四号)・・・カーポート、物置小屋、喫煙ボックス等
●仮設建築物(建築基準法第85条)・・・仮設工場・仮設倉庫、仮設店舗、仮設事務所、海の家等
などの基礎としての利用が認められています。
材質はスチール材溶融亜鉛めっき(HDZ55以上)仕上げ。
杭の先端の形状、螺旋部の幅、角度に特徴があり、100Vのトルコンで簡単に施工することができます。
製品は大きく分けて3種類。
左:φ48.6mmの単管と同径のT型。様々な市販のアプリケーションの装着も可能です。
中:φ101mmとボイド管に相当する大口径のF型。防護柵支柱やサインの支柱をそのまま挿して使用することができます。
右:φ76mmながら肉厚t3.6mmで大型の構造物にも対応するD型。
先行している他社製品との差別化を行った点としては、
①D型が工法として技術審査証明を取得しており、四号建物や仮設構造物の基礎としてオフィシャルに使用できること
②基礎1箇所あたり複数本の杭を打つ他社製品と比較し、1本で良いことから施工性はもちろんのこと、大幅な軽量化に成功
③螺旋杭なので、正逆回転により高さの微調整や、抜き取り後の再利用が可能
④すべての製品は人力で施工ができ、施工環境を選ばない
④地表面から根入れ深さ+杭径までのNswが4以上の地盤を対象とできること(液状化の恐れのある地盤は除く)
⑤専用の小型試験機を用いて実際の現場で行う引抜試験から、許容支持力を算定できる
このようなメリットがあり、あらゆる地盤を対象に正確な検証を伴う基礎工事が可能となります。
砂浜や山間地などコンクリートミキサー車の進入できない(しにくい)計画地や、街中の狭隘地(狭い土地)、傾斜地、湿地など様々な環境で威力を発揮します。
過日、沖縄県の石垣空港で本製品を採用いただき、施工性の検証を行いました。
駐車場から空港へのアクセス通路ですが、ショートカットするために、法面に階段を設けることとなり、本製品を提案、ご採用を頂きました。
写真の通り、斜度がある現場で、コンクリート基礎を設置するのは容易ではありません。
斜面地に杭位置の座標を逆打ちし、正確に位置を出し、ベースプレートをガイドに杭を打ち込みます。
上の写真の通り、こんなに小さな機械(シンプルトルコン)でグイグイと打設することができます。
打設が完了した杭。
外側のベースと杭をボルトで締結し、上部工への外力を杭に伝える構造です。
出来上がった基礎に、階段の構造部を載せていきます。
弊社ではあらかじめ三次元加工した部材を現場へ搬入することで、現場作業を簡素化するプレファブ工法を採用しています。
この工法の基礎として、本製品を使用することで、現場で廃棄物がほとんど発生しないというメリットも確認できました。
コンクリート基礎のように廃土や脱型した型枠などの廃棄物が発生しないのです。
この杭基礎の採用により、基礎工事の大幅な工期、工費の削減を実現しています。
その後、巨大な台風の直撃を受けましたが、全くもって被害はありませんでした。
開発には時間を要しましたが、その成果は十分にあったようです。
2020年の東京オリンピック、パラリンピックでは、かなりの仮設構造物の建造が見込まれます。
この機会に仮設構造物の基礎の概念をガラッと転換してみたいと考えています。
※本製品、技術へのお問合せはsaiブランド本部まで
製品情報など詳しくは弊社メインサイトをご覧ください。