デンパーク木橋改修工事2
デンパークの木橋改修工事が完了しました。
既設の木橋は、構造部分の木材、特に桁と防護柵の支柱付近の腐朽が激しく、支柱に寄りかかると根元から折れてしまう恐れがあるような危ない状態でした。
その木橋の外形をそのままに、鋼製の構造体と人工木材で改修した事例です。
下の写真が改修前のもの。
塗料がきれいに塗られ、大切にメンテナンスをされていましたが、水面上であることに加え、部材の接合部に雨水が溜まりやすい構造になっていたこともあり、設置後13年で改修ということになりました。
ほぼ同じ角度から、改修後の姿を撮影しました。
外形はまったく同じ大きさですが、イメージはまったく異なる仕上がりになったと思います。
既設の木橋よ、13年間ご苦労様でした。
13年前というと再生木材が出始めた頃で、現在のような一般材ではありませんでした。
この間に環境問題から輸入木材が減少し、再生木材や人工木材が進化、普及し、現在に至ります。
弊社のsai事業は、再生木材の開発の当初から共に歩みを始めたといっても良いでしょう。
特に、港湾や漁港という紫外線や塩害など、陸域とは比較にならないほど劣化要因が多い環境をこなしてきたので、この間にたくさんの不具合に出くわし、これを解消し、現在のシステムに辿りつくことができました。
水際で弊社の提供する施設は、外見上は街中のそれと同じように見えても、部材のひとつひとつの性能がまるで違うと自負しています。
デッキや木橋を比較検討する際、よく床板だけで比較をされる方々がおられますが、再生木材や人工木材は決して万能ではありません。
天然木材同様に、きちんと下地を含め「適材適所」に使用しなければ、期待寿命をまっとうすることはできません。
言い換えれば、天然木材も適材適所に使う設計・施工ができれば驚くほど寿命が変わります。
天然木材も人工木材も、それぞれに利点、欠点がありますが、その欠点を補うのが、設計や施工の技術であると思います。
それぞれの立地環境や求められるライフサイクルコスト等、このような施設を計画するには、たくさんの要因があります。
それらを整理し、当該計画地にベストと思われる部材、設計を提案し続けて行きたいと考えております。