江戸川区と糸満市をつなぐ
2012年10月14日に江戸川区の景観条例に基づく景観活動団体「水辺環境創造活動グループ」が発足しました。当時、私はこの団体を立ち上げ、saiブランドとしても団体のスポンサーとして協力し、海抜0m地域における水辺の景観づくりと防災に取り組みはじめました。その後、本社を沖縄へ移転するため代表を後任へ託しましたが、今年4月には一般社団法人として法人化し、現在に至ります。
主な活動は江戸川区に流れる新川という運河で、午前中に水上をカヤックで清掃し、午後には周辺住民の皆様にカヤックの乗船体験をしていただくというもので、4月~11月の毎月1回の活動をしています。
東京の運河はお世辞にも水質は良くなく、とても気軽に落水する気にはなれません。なので有事の際の救助の訓練を年1回、水質の良い神奈川県葉山町の海岸で行っていました。キレイな海での落水、救助訓練はスキルだけでなく、心も晴れやかにしてくれます。今回、この訓練を沖縄県糸満市の名城ビーチで行うこととなりました。コロナ禍を経て、4年ぶりにみずかんのメンバーと再会することができました。
当日の名城ビーチは快晴、風速5m/s程度で水質も良好。白砂青海(松はないので…)といういわゆる南国の海。東京から来沖したメンバーたちは大はしゃぎ。
地元糸満の子供たちも参加してくれ、カヤックやSUPといったマリンスポーツで大勢の人が笑顔で交流することができました。もちろん落水訓練も実施し、実りある訓練になりました。
沖縄の海で訓練を終えたあと、十分に休憩を取り、夕方に三々五々人々が集まってきます。今回は4年ぶりの再会といこともあり、メンバーにサプライズプレゼントを用意しました。それは沖縄の伝統芸能のステージです。近所の友人に趣旨を相談したところ、友人の所属する沖縄民謡教室の方々がフルサポートしてくれることになったのです。三線はもとより、舞踊や柔術などの演舞も見せてくれました。驚いたのは、演者として登場した子供たちです。何と昼にマリンスポーツ講座に参加していた子供たちで、その変わりようと三線や演舞の技術には驚かされました。
三線、民族舞踊、獅子舞まで。糸満の仲間が東京の仲間に最高の贈り物をしてくれました。前日の夕方、どうやら獅子舞まで用意してくれていると聞いたので、これは内輪だけで楽しんではいけないと思い、近所の移住者仲間に声をかけたところ、思いのほかたくさんの人が訪れ、出身地(オーストラリア、カナダ出身者もいる)が異なる人々が思い思いに交流する姿に沖縄の伝統芸能の素晴らしさとその将来に安堵しました。
この木製の舞台は林野庁の「外構部等の木質化対策支援事業」で2022年の2月に設置したものです。国産針葉樹を外構施設に積極的に使っていこうという趣旨の補助事業ですが、東京と糸満を結ぶ大切な役割を果たしてくれました。
そして翌朝。前日に訓練をした海域の清掃活動を行い、メンバーは「沖縄、ありがとう!」とビーチをあとにしていきました。みずかんは江戸川区の認定法人から一般社団法人に進化し、活動域を広げてきました。これからも水辺の楽しさや自ら環境を美化していく活動を全国に広めていってくれると嬉しいです。
saiブランドはこの活動を通じて、社会へのCSRに貢献していきます。