沖縄が教えてくれること

On 01. 10. 2018 by sai1525

saiブランドではボードウォークやデッキ、木橋などの木製施設の改修を多く手掛けています。
〝なぜ改修をする必要があるのか”
相談をいただいた際に、必ず考えることです。
現場の図面や写真を見て、劣化の原因を考えてみます。
すると構造や用途によっていくつかのパターンがあることに気づきます。
そのパターンの中で最も多いのが、木材の使い方を根本から間違っているケースです。
木材が好きな国民性も相まって、太古よりたくさんの木造施設がつくられてきました。
しかしその多くはすでに失われています。


先日、沖縄出張の際に国指定文化財となっている「中村家」を見てきました。
中村家は戦前の沖縄の建築様式をすべて備えている本島で唯一の建物だそうです。
沖縄の建築はコンクリート造が特徴だと思われている方も多いと思います。
これは戦後に米軍が沖縄を統治する際、彼らの使いたい木材が現地になかったため、木造ではなく、コンクリートやブロックが用いられ、現在の風景に至ったのだと思われます。

なぜ沖縄ではコンクリート住宅が多いのだろう。
という問いに「台風に強いから」と答える人がなんと多いことでしょう。
ではなぜ、奄美大島は木造住宅が多いのでしょうか。

私が沖縄に住むとしたら、日が強く、高温な環境でコンクリートはイヤですね。
墨田区のこのオフィスもコンクリート打ちっぱなしの仕様なのですが、冬の寒さに耐えきれず1階から2階へ事務所スペースを移したくらいです。冬に来社されるお客様には申し訳ありません。(笑)
そう、コンクリートは夏はそれ自体に蓄熱するため暑く、冬は外気に冷やされ、コンクリート自体が温まるまでにたくさんの熱量と時間がかかります。

蓄熱性の低い木材を有効に使い、日光や風という自然エネルギーを上手に取り入れた暮らし方。
中村家はその手本とも言えます。
そこに立って、感じることで、これからの事業の方向性や会社の在り方などを考えることができました。

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