幸せの階段
新石垣空港近くの駐車場にアプローチするための階段です。
駐車場までの高低差があるために、これまで駐車場から空港まではかなり迂回して
歩かなければなりませんでした。地元にとっては、いわば「待ち望んでいた階段」であったことでしょう!
計画からここまでくるには紆余曲折あり、石垣島という過酷な自然条件や傾斜地施工の難しさ、
コスト面などの問題をクリアしようやく工事に至りました。
関係者の皆さまのご苦労は実施に至るまでの歳月が物語っています。
困難な基礎工事に威力を発揮したのは、新たに導入したスクリュー式の基礎によるところが大きいです。
独立基礎を据えるための掘削なども必要なく、スクリューを打つだけなら数日で済んでしまいます。
その簡易な施工を支えているのは、高度な測量技術を持った地元のサーベイ石垣さんです。
CADで割り出した座標を斜面に正確にプロットしたおかげで、上部構造はほとんど調整なく組みあがりました。
(写真:自動追尾式の最新型トータルステーション。動きはまるでロボットです!)
各部材の製作図は三次元CADを活用しました。
平面図・断面図だけでは見えてこない部分まで把握することができました。
また三次元CADは現場のコミュニケーションツールとしても威力を発揮しました。
現場の監督さんや職人さんに、設計の意図を分かりやすく伝え、さらにほしい寸法を現場で
PDAやノートパソコンを使い、その場で伝えることができました。
また、現場での変更もその場で修正して、必要な指示を出すことができました。
私は設計者として施工指導に現地に行ったのですが、職人さんから「これがあればあんた要らねえな。」と冗談?を言われたほどです。(笑)
施工は6月初旬からでしたが、石垣はとにかく暑い。
作業員も通常よりこまめに休憩し、水分・塩分を摂りながらでないと仕事になりません。
過酷な日差しの下、施工していただいた職人さん達には頭が下がります。
石垣の工事関係者は皆、ここで10年保つ構造物であればたいしたものだと、いわれます。
今年はようやく台風一号が来ましたが、厳しい日差や絶え間ない潮風。
例年台風に見舞われるこの地で磨かれた技術であれば確かにどこへ行っても安心でしょう。
ちなみに「幸せの階段」とは仕事後の夜の宴会(たしか二次会のスナック)で、
私たちが名付けたこの階段の愛称です。
皆さまに末永く利用していただける階段であってほしいと願います。
関係者の皆さまお疲れさまでした!
sai.IG
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