焼津漁港ステージデッキ 現場レポート2
昨日までに終えた夥しい数のアンカーを基礎に、本日から鉄骨を組み上げます。
まずは柱を立てるのですが、ここで最も大事なのがレベル(水平)です。
下地となるコンクリートは、雨水を排水するために勾配が付いています。
すなわち、地盤が水平ではないのです。
よって、柱箇所ごとにその地盤の高さを測量するのです。
以前は水糸を張って水平高さの基準を作っていましたが、今はその作業をレーザーで行います。
写真をクリックして拡大していただくと分りますが、海際で作業をしている人がレーザー受光機を持って水平を出しています。
全てのボルトのレベルを取り、このように柱を設置します。
今回の工事は極力亜鉛めっきと溶接をしない設計としましたが、さすがにベースプレートと柱のインナー鋼だけは溶接が必要でした。
柱上部からの雨水の浸入に対応するため、柱とベースプレートの間に隙間を持たせ、排水構造を設けています。
前記したコンクリート地盤の高さの違いは、ベースプレートとコンクリートの隙間となって現れます。
この隙間は鉄骨組みが完了した後に、型枠を組みコンクリートを充填します。
次に柱と柱を結ぶ「大引:おおびき」を設置します。
今回の大引は柱スパンが2mと大きいため、C型鋼の100*50t3.2を背中合わせに2本ずつ設計しました。
もちろん柱と大引は、M10ボルト(SUS304)で固定し、設置しやすく分解しやすい設計にしています。
工場で行った「プレカット」とは材料の長さを切りそろえるだけではありません。
固定するボルトを挿入する穴も工場であけ、現場では設計図に基づきボルトアップするだけの構造で、さながら巨大なプラモデルといった感じです。
これにより、現場の工期が早まるだけでなく、現場でゴミが発生しないというメリットも享受できます。
前記だけでは分り難いと思いますので、部分詳細です。
このように柱の両側面にC型鋼をレイアウトし、上からの荷重をこの2本の大引で均等に受け、その力を柱に伝える構造としています。
大引の天端に空いている穴には「根太」が固定されます。
根太は大引と直交する部材で、デッキ材を留める構造部材です。
根太を仮置きした図です。
昨日までの土台づくりには時間がかかりましたが、プレカットが活き、かなりのハイペースで構造体を組み上げることができました。
ここまで来ると、構造体の最終的な仕上がりが分かりますね。
護岸の端までせり出した開放感の大きなステージデッキのアウトラインが見えてきました。
この現場は大きな公園なのですが、この現場の真横まで、散策路が付いており、毎日散歩に訪れる方々が気軽に声をかけてくれます。
「何を造ってるんですか?」「すごく広いスペースだね」「いつできるんだ?」等など。
毎朝、現場の始まる8時前からお年寄りがグランドゴルフを楽しんでいます。
小さなお子さんを連れたお母さんが散歩を楽しんでいます。
海が好きな人々が気軽に訪れることのできる施設として焼津の新たな名所になるといいですね。
明日からはライターが交代します。
現場からリアルタイムで施工状況をお知らせできればと思います。
製品情報など詳しくは弊社メインサイトをご覧ください。