挑戦の光と影
現在、saiグループで普及に力を入れているスリットデッキですが、波や風といった「外力を抜く」という基本性能以外にも魅力の多い構造だということが判ってきました。
下の写真は沖縄県恩納村仲泊地区に設置したボードウォークですが、デッキと護岸の間の隙間への安全対策としてスリット構造をご採用いただきました。
この部分を普通の「平貼」にしてしまうと、デッキ下から吹き上げる波圧や風圧がまともに作用し、構造物そのものを破壊してしまいます。
ここにスリット構造を設けることにより、台風時に「構造物に作用する外力を抜く」ことができるのです。
歩行者への安全対策と、自然災害から構造物そのものを守る、沖縄らしい構造と言えるでしょう。
さて、そのスリットですが、上の写真の箇所を対岸から見てみます。
するとスリットデッキが石積み護岸に美しい影を落としています。
沖縄にはこの「影」が必要不可欠で、背後にあるシェルターパーゴラも日陰をつくるために設置されています。
現在、私たちはスリットデッキのつくる、この影を利用して次なる製品の開発を進めています。
製品開発というより、新たなデザインといったところでしょうか。
私たちのフィールドとしている沿岸域は、内陸と比べて潮害はもちろんのこと、紫外線量も比較にならないほど強く、ここで耐久性の高い素材や構造を提供していくには、様々な挑戦が必要となります。
挑戦は、新しいことが多く、苦労(影)することも多いのですが、 挑戦をすると、当初は想定してもいない様々な効果(光)を得ることができます。
このスリットデッキは「波力を受けても耐える構造を考えてほしい」という、発注者様からの要望に挑戦をさせていただけた結果です。
当初、無理と思われていた問題を技術で叶える。
技術とは、奥が深く何ともすばらしく、面白いものなのです。
昨今、若者の技術離れが顕著なようです。
こんなに楽しくすばらしい世界があるよ、と見せ、体感させてあげたい、挑戦してみては?と感じる今日この頃です。
製品情報など詳しくは弊社メインサイトをご覧ください。