リバースウッドGT
昨年の7月より弊社のリバースウッドシリーズに「リバースウッドGT」が加わりました。
これにより、リバースウッドシリーズは以下の3アイテムとなりました。
リバースウッドEW(再生木材)
リバースウッドAW(混練型人工木材)
リバースウッドGT(積層型人工木材)
この3アイテムを、設置環境や求められるデザイン、機能により適材適所に推奨させていただくこととなりました。
写真左:リバースウッドGT 写真右:リバースウッドAW
今回は、新製品リバースウッドGTについて簡単に解説を行います。
まず、原料は樹液の採れなくなった「ゴムの木」で、これまでは、伐採され焼却処分されていたものです。
ゴムは自動車のタイヤをはじめ、全世界で様々な用途に使用されています。
そのため、東南アジアを中心に相当量のゴムの木が植林され、ラテックス(ゴムの樹液)が採取されているのです。
樹齢が25~30年に至ると、樹木自体は健全でも、ラテックスの生産量が大きく低下するため、伐採され、再び植林するというサイクルを繰り返すのです。
リバースウッドGTは、この伐採されたゴムの木を再資源化した製品なのです。
製造工程としては、伐採されたゴムの木を乾燥させ、カツラ剥きにし、単板を製造します。
ゴムの木は気乾比重0.55~0.65と、杉材のほぼ倍の比重を持つ広葉樹です。
灰白色~淡黄色の薄い色調で、辺心材の色調の差はほとんどなく、かつら剥きをしてもそれほど色の濃淡がでないことも特徴のひとつです。
リバースウッドGTの最大の特徴は、かつら剥きをした単板の状態で、しっかりとフェノール樹脂を含浸させることにあります。
通常の合板は、貼りあわせ(積層)をしてから、防腐処理を行うため、単板同士の界面に処理剤が入らず、剥離や腐食を起こしてしまいます。
単板の状態でフェノール樹脂を含浸させるには、もちろん手間がかかるのですが、薄い単板の状態だからこそ、樹脂がきちんとセルロース(木材を形成するの細胞)の内部まで浸透させることができるのです。
また、フェノール樹脂は熱に強いという特徴を持つことから、この単板同士を高熱でプレスし、製品として成形を行うものです。
これにより、水分の影響を受けにくい理想的な屋外材として製品化することができました。
天然木材の木目、風合いを持ちながら、高い耐水性、屋外耐久性を持つ材料として製品化されたリバースウッドGT。
sai-BRANDではボードウォークのデッキ材としての利用はもちろんのこと、新たにLVL(積層合板)を活かしたデザインを進めています。
そう、防護柵の笠木です。
天端部分に軽いテーパー加工を施すことにより、年輪のような風合いを醸し出すことができました。
このように表面を加工しても、トゲやささくれも出ることはなく、非常に滑らかな手触りです。
しばらくの間、本社の1階に展示しますので、ご興味のある方は是非この手触り、質感を体感してみて下さい。