首里城右棭門 階段
世界遺産首里城の出口付近の右棭門(うえきもん)で迂回路をつくる工事をしています。
門を出ると築城当時から残る琉球石灰岩の石畳があるのですが、景色が良い分、急勾配の坂道になっています。
石畳の凹凸と勾配で、利用者は恐々と歩いています。
今回の工事は、ここに迂回路を建設するものです。
工事を開始した日は、まだ梅雨が明けていなかったので、雨が降ると安全靴を履いていても気を抜くとツルッとする状態でした。
首里城は観光や修学旅行で訪れる利用者が多いため、かかとの高い靴や革靴を履いている方々が多く、この新しくできる施設は、利用者の安全確保に寄与するためのもので、責任は重大です。
築城当時から残されている石畳は「遺構」とされ、アンカー等を打ち込むことができません。
一番上の写真を見ると、石の表面が途中で異なっていることが判ると思います。
凹凸の大きな右側が「遺構」です。
ここには特殊なシリコンを用いて遺構を傷つけないようにベースプレートを設置しました。
構造材には、首里城の外壁色に塗装したマリンランバーを使用し、軽量化を図っています。
というのも、撮影等を行う際には取り外しができる構造にすることが今回の設計条件だったのです。
今回は設計監修の仕事だったので、完成を見届けることができませんでしたが、昨年の恩納村で現場を共にした腕の良い施工業者さんが担当してくれているので、きちんとした施設が完成することでしょう。
梅雨が明け、暑い夏が訪れました。
熱中症に気をつけながら、残りの作業をお願いします。