創立記念日に想う事業継承

On 01. 10. 2024 by sai1525

10月1日はsaiブランドの創立記念日です。
2006年の現不動テトラさんの合併とともにスピンアウトし、起業をしたので18年が経過したことになります。
この間、水辺に特化した外構メーカーとして全国各地で設計・施工を展開させていただきました。
代表的な事例として、スリットデッキやワイヤー柵などが挙げられます。
厳しい波浪を受ける計画地でも平時には憩いの空間を提供できるようになりました。剛性を持った部材をいかにシンプルに構成するかというsaiブランドの設計思想は、スマートで良いと評価をいただき、波浪の影響を受けない計画地にも多く採用をいただくことができました。

デッキ下から波圧を受ける計画地に最適なスリットデッキ

そしてもっとも力をいれてきたのが、既設の木材構造物の改修提案です。
もともと諸外国からハードウッドを輸入し、日本国内に販売をしてきた経験から、まだまだ耐久性のある木材を廃棄してしまうのはもったいないと、現地で劣化診断を行い、再利用が可能なものと不可能なものを分別し、再利用を促進するとともに、改修提案にあたっては腐朽原因をつき止め、それを改善する提案を行ってきました。

超音波伝播時間測定器、含水率測定器、ピロディン等の機器を使用し、計測数値に基づいた客観的な劣化診断が可能です。

この取り組みは創業当時の2006年に鹿児島港のボードウォークの改修工事からスタートしました。SDG’sという単語さえない頃のお話です。当時「再利用できる」「再利用できない」という重要な判断は、私の経験値にたよった主観的なものでした。この頃、都合よく「木材劣化診断士」という資格が制度化されたことにより、主観的な判断から機材等を使用した「客観的な判断」を行えるようになりました。京都大学の藤井教授(現:木材保存協会会長)とともに大規模な木橋、巨大木製モニュメント、果ては原発の冷却施設まで診断し、木材劣化診断の最前線を体感しました。通常の外構施設の診断もかなりの数を手掛け、国内では最多の診断経験を積ませていただいたのではないかと振り返ります。

古材の表層をルータで削ることで、新材のようによみがえらせるだけでなく、
滑り止め機能を持たせたデザインパターンは景観に大きく寄与します。

その後、再利用するデッキ材の表面を3次元ルーターで削り、滑り止め機能を付加しながら新品のようによみがえらせるピールド工法の開発に至り、現在はそれらの技術を後継会社である株式会社サイアスへ継承しています。今後はサイアスが皆様の窓口となり、saiブランドはそれを支える立場として、外構事業からは少しずつフェードアウトをしていきます。いわゆる事業継承ですが、次世代にきっちりとバトンを渡すことができたのは嬉しいことだと、創立記念日にあらためて感じています。

そしてこの日、サイアスの100%子会社となるSMILE建設株式会社が創業しました。saiブランドからはスマイルを表現したヒマワリの生花を30本贈りました。
グループ3社、すべて10月1日が創立記念日となります。

SMILEという言葉に込められた思いは、
社員それぞれが打ち出した新会社のキーワード
「 Infinis 、Link、Etarnity」の頭文字と、
saiグループが出会う「Meet」の頭文字
を並べたものになります。
出典:サイアスウェブサイト

SDG’sも大切ですが、人の縁を世代をまたぎ継続していくことが一番難しく、そして大切なことなのではないでしょうか。
がんばれ、後輩たち!

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