まるでポンデリングのような形に17色のカラフルな色使いのマークを見たことがある人は多いだろう。国連は人々と地球の繁栄のための行動計画として17の目標を示し、その13番目に「気候変動に具体的な対策 を」と掲げた。そして 2015 年にパリで開かれた気候変動サミットで地球の平均気温の上昇を抑えるとした。 世界の首脳たちは角を突き合わせ喧々諤々やかましい。やれ中国だ、インドだと、発展目覚ましい国を槍玉に あげてはいるが、日本の70−80年代の高度成⻑期を思えばわかりやすい。僕らが小学生の頃は「光化学ス モッグ注意報」が出ると体育の授業は中止され下校させられた。工場の煙は空を覆い、夜空に北斗七星が3つしか見えなかったことを覚えている。その後、日本は経済成⻑し生活環境は劇的に変わった。端的にいうと臭わなくなった。エアコンで部屋の温度は調節され、蛇口からは飲める水が出てくる。CO2排出と聞くと、車 の排ガスくらいしか思いつかない。クリーンでキレイな生活をしていると、気候問題と言われても自分自身が 地球を汚している実感が湧かないのだ。
ところが、排出源を部門別にみると、家庭部門が14%も占めてい る。試算によると一般家庭の世帯あたりの排出量は年間5トンに及ぶらしい。しかもそのうち電気使用による CO2排出が7割を占め、ガス、灯油と続く。単純計算なら、電線を伝わってくる電気を使うだけで年間3トン以上のCO2を排出していることになる。森に例えると1トンのCO2の吸収には杉換算で71本になるらしい。沖縄には50万世帯が暮らしているから、電力消費だけで年間250万トン排出と試算され、それは杉 18,000本に相当、植林なら目安は1坪1本だから、18,000坪=6ヘクタール分の杉林に相当する。よく聞く東京ドームが5ヘクタールだから、沖縄の電力消費は毎年、それぐらいの杉林を伐採したことと同じというわけか。今更ながら、電気を使わない生活は考えられないが、沖縄は 99%が火力発電に頼っている。その発電を環境負荷の低い自然由来の再生エネルギーへ変える努力はできるが、沖縄の場合、高低差が無いので 水力は望めない。台風も多く風力は厳しい。ならば降り注ぐ太陽の恵みを受ける太陽光発電が現実的かも知れない。まずは年間の電気消費量をチェックして、太陽光パネルで補える蓄電池を用意できれば、家庭で消費する 一部でも「オフグリッド」できるかも知れない。小さいことから考え始めてみるか。
※参照:環境省調査結果 http://www.env.go.jp/earth/chosa1901-2.pdf