環境性能を測る

皆さんが旅行に出かけた時、雨でどんよりとした天候だとしたら、その地の印象はあまりよくないものになってしまいます。晴天の下で体験したかった理想のアクティビティーが台無しになってしまうかもしれません。そうならないためにも、その地の季節や天気の動向を予測し計画をしたいものですね。

この予測には過去のデータから積み上げた統計が重要になります。温度、湿度、降水量等が季節の変化を肌で感じる数字となります。当地では オフグリッド生活を体験できるテントサイトだけでなく、本業である木製構造物の耐久性を検証するため、いくつかの環境観測機器を導入しています。ここで蓄積しているデータは、オフグリッドを計画する上でも大変重要なものとなるでしょう。日射量や風速など、自然が発するエネルギーを使わせていただくには、その量や質を把握しておく必要があります。今回は、ここで計測している環境測定機器をご紹介します。

NETATMO ウェザーステーション

Netatmo ウェザーステーションは、屋内外用2つのモジュールで気温や湿度、CO2濃度などから屋内外の空気質を評価するアプリケーション連動型ウェザーステーションです。観測データには、PCやiPhoneから簡単にアクセスでき、リアルタイムで情報をブラウズできるだけでなく、そのログデータが蓄積されています。

現代版百葉箱(京都大学大学院農学研究科)

京都大学大学院の藤井義久教授にご提供いただいている機材です。日射量ロガー、紫外線ロガー、そして
温湿度ロガー。地表から2m程度の高さに各種のセンサーを設置し、日々、データを集積しています。日射量と紫外線量は、木製構造物へのダメージを与える大きな因子で、これを測定し、暴露試験体の劣化度との相関を分析します。

実際の暴露試験体の含水率を測定しています。毎月末に測定をしていますが、わずか1か月で倍、半分の変化が計測されることもあります。 これを日々の湿度データと比較することで相関を見ていくわけですが、 木材を人間の体だとすると、これだけ環境の影響を受けていることになるのです。

これらの蓄積したデータを分析することにより、「電力からのオフグリッド」の重要な要素である「自然エネルギーによる発電手段」を計画していきます。今のところ、太陽光(日射量)の利用はもちろんのこと、常に風が吹いている環境なので、風力発電も併せて計画していこうかとも考え始めました。

このように「環境」を「数値」として測ることができます。この数値をどう蓄積し、どう読むか。
本業である木製構造物の耐久性の検証や、新規事業であるオフグリッド事業の発電手段の検討など、環境を測ることで、どっぷりと地球と共に生きているという感覚を覚えています。